函館を代表するソウルフードの確固たる地位

ラッキーピエロ函館駅前店は、1987年創業の地元ハンバーガーチェーンとして、全国ご当地バーガーランキング第1位という輝かしい実績を誇る。函館市内と近郊に全17店舗を展開し、そのうち函館駅前店はJR函館駅から徒歩わずか2分という抜群のアクセスを誇り、観光客にとっては函館到着後すぐに、または出発前最後に立ち寄れる理想的な立地だ。2019年10月29日にオープンした比較的新しい店舗でありながら、74席という広々とした店内は常に地元客と観光客で賑わいを見せている。

チャイニーズチキンバーガーの圧倒的支持

不動の人気ナンバーワンメニューであるチャイニーズチキンバーガー（通称チャイチキ）は、地元では単に「チャイチキ」と呼ばれ親しまれている。このバーガーの特徴は、何と言っても高さ14センチ、幅11センチという圧倒的なボリュームにある。北海道伊達産の鶏肉を使用した特大の唐揚げが3個も挟まれており、甘辛いタレとゴマがたっぷり振りかけられたフワフワのバンズとの相性は「絶妙」という評価が圧倒的多数を占める。価格は350円から420円と手頃でありながら、その満足度は他のファストフードチェーンの追随を許さないレベル。レビューでは「アゴが外れそうになるほどのサイズ」「スマホの横幅くらいある」といった表現が頻出し、初めて訪れる観光客は必ずその大きさに驚嘆する様子が伝わってくる。

地産地消へのこだわりと品質管理

ラッキーピエロが多くの支持を集める大きな理由の一つが、徹底した地産地消へのこだわりだ。チャイニーズチキンバーガーの鶏肉は北海道伊達産、レタスは函館の隣の北斗市、その他卵や牛乳、豚肉に至るまで外国からの安い輸入品に頼らず、北海道産食材を使用することに力を入れている。さらに、注文を受けてから作り始めるオーダーメイドシステムを採用しているため、いつでもできたてジューシーなハンバーガーを味わえるのが大きな魅力。ミートパティは未冷凍で、厳選された肉を手でこねて一つ一つ手づくりしているというこだわりは、大手バーガーチェーン店では絶対に不可能な贅沢さだろう。

セットメニューの驚異的なコストパフォーマンス

多くの口コミで「コスパが最高」と絶賛されているのが、チャイチキセット880円から1,000円という価格設定。このセットにはチャイニーズチキンバーガー、ポテト、ドリンクが含まれており、バーガーとポテトの両方がボリューム満点であることを考えると、「この内容で1,000円は安すぎる」という声が大多数を占める結果に。特に観光客からは「函館の物価を考えても破格」「東京なら2,000円は取られそう」といった驚きの声が上がっている。実際、大手チェーン店と比較しても、パティのボリュームは2倍程度あるとされ、単純な価格比較以上の価値があることは明白。

ラキポテという独創的サイドメニュー

サイドメニューの中でも特筆すべきが「ラキポテ」350円だ。マグカップに入ったフレンチフライの上に、濃厚なチーズとホワイトソース、デミグラスソースがかかったラッキーピエロオリジナルメニューで、「一度食べてしまうと普通のフライドポテトでは満足できなくなる」という中毒性の高さが多数のレビューで指摘されている。使用されているジャガイモはもちろん北海道産で、ホクホクの食感とソースの組み合わせは「衝撃的な美味しさ」と評される。このメニューは絶対に注文すべきという声が非常に多く、ラッキーピエロを代表するサイドメニューとしての地位を確立している様子だ。

バーガー以外の豊富なメニュー展開

ハンバーガーチェーンでありながら、ラッキーピエロの真骨頂はハンバーガー以外のメニューの充実度にもある。函館駅前店では全14種類のオムライスを提供しており、特に「チャイニーズチキンオムライス」は、たまご4個を使用した厚みのあるオムレツにチャイニーズチキン3個が乗った超ボリュームメニューとして人気を博している。さらに「チャイニーズチキン焼きそば」は、もちもちとした麺に香ばしい焼き目がついていて、そこに甘辛ダレをまとったジューシーな唐揚げがたっぷり乗っており、「屋台の焼きそばのような懐かしい味」として幅広い世代に愛されている。カレーライスもハンバーガーと並んで看板商品と呼べる人気メニューとなっており、こうした多様なメニュー展開により、様々な好みを持つグループでも全員が満足できる店作りが実現されているのだ。

マティスの赤をテーマにした独特の内装

函館駅前店の大きな特徴の一つが、フランス画家アンリ・マティスが愛した「赤」をテーマにした店舗デザインだ。創業者の王一郎会長がもともとマティスを好きだったことから、ポスター、額、装飾、照明など、徹底的に店内装飾にマティスの赤を詰め込んだ結果、まるで函館朝市の活気と賑わいを思わせる情熱的な空間が誕生した。特に「一席だけある赤いソファ席」は特別感たっぷりで、多くの客が写真撮影スポットとして利用している様子が口コミから伺える。ラッキーピエロ全17店舗はそれぞれにテーマがあり、内装がガラリと違うことでも有名だが、函館駅前店のマティスの赤は特に印象的で、初めて訪れた観光客は必ずその情熱的な雰囲気に心を奪われるようだ。

朝8時開店の利便性

函館駅前店の大きなアドバンテージが、朝8時という早い開店時間だ。函館朝市に面した立地のため、朝市の営業に合わせて開店時間が早く設定されており、「朝マック」ならぬ「朝ラッピ」を楽しむことができる。他の多くの店舗が10時や10時半開店であることを考えると、この朝8時開店は観光客にとって非常にありがたい設定。函館朝市で海鮮丼を食べ、その後ラッキーピエロでハンバーガーを楽しむという、函館ならではの贅沢な食べ歩きが可能になっているのだ。実際、「海鮮丼とB級グルメを同時に味わえる」という口コミが複数見られ、函館観光の効率的なプランニングに一役買っている様子が窺える。

混雑状況と待ち時間への対応

人気店ゆえの課題として、混雑時の待ち時間が挙げられる。特に昼食時や夕方には階段に行列ができることも珍しくなく、「注文まで15分待った」「席の確保に時間がかかった」という声も散見される。しかし、注文を受けてから作り始めるオーダーメイドシステムを採用しているため、この待ち時間は「できたてを食べるための必要な時間」として多くの客に受け入れられている様子。実際、「待った甲斐があった」「待ち時間も店内の雰囲気を楽しめた」といったポジティブな評価が目立ち、待ち時間に対する不満よりも、できたてのハンバーガーへの期待感が上回っているケースが大多数を占める結果となっている。

地元客からの変わらぬ支持

観光客向けの店という印象を持たれがちだが、実際には地元客からの支持も非常に厚いことが複数の口コミから明らかになっている。函館の人々は親しみを込めて「ラッピ」と呼び、日常的に利用している様子が伺える。「有名店だけど地元の人は行かない」というよくあるパターンとは異なり、ラッキーピエロは地元客と観光客の両方から愛されている稀有な存在。スナックで聞き込みをしたというレビュアーの話では、地元の人々が「ラッピはソウルフード」「週に何回も行く」と語っており、観光地化されていない本物の地元グルメであることが証明されている。

有名人も虜にする魅力

ラッキーピエロの魅力は、プロ野球選手や有名人にも及んでいる。特に有名なエピソードとして、米大リーグ・ドジャースの大谷翔平選手がプロ野球北海道日本ハム在籍時に「1食でチャイニーズチキンバーガーを2個食べた」という逸話が残っており、このエピソードは多くのファンの間で語り継がれている。トップアスリートでさえも虜にするその味わいは、単なる観光地グルメの域を超え、「国民食」とも呼べるレベルに達していると言えるだろう。

支払い方法の多様化

従来は現金のみの対応だったが、最近ではPayPay、au PAY、AlipayといったQRコード決済にも対応している点が評価されている。ただし、クレジットカードや電子マネーには未対応であるため、この点を事前に知らずに訪れた観光客からは戸惑いの声も散見される。とはいえ、現金とQRコード決済に対応していることで、多くの客にとっては問題なく利用できる環境が整っているといえよう。

改善の余地と今後への期待

改善点として挙げられているのは、駐車場がないことと、混雑時の待ち時間の長さくらいで、料理の質やサービス、価格設定に対する不満はほとんど見られない。駐車場については、函館駅前という立地柄、公共交通機関でのアクセスが前提となっているため、車で訪れる場合は近隣のコインパーキングを利用する必要がある。とはいえ、この立地の良さを考えれば、駐車場の欠如は些細な問題と言えるだろう。

総合評価

ラッキーピエロ函館駅前店は、全国ご当地バーガーNo.1という実績、徹底した地産地消へのこだわり、圧倒的なボリュームとコストパフォーマンス、マティスの赤をテーマにした独特の内装、函館駅から徒歩2分という抜群の立地という5つの強みを活かし、函館を代表するソウルフードとしての地位を不動のものとしている。観光客だけでなく地元客からも変わらぬ支持を受け続けており、函館を訪れたら必ず立ち寄るべき店として、今後も多くの人々に愛され続けることは間違いないだろう。