北海道酪農文化を体現する本格派ミルクスイーツ店

円山牛乳販売店は、札幌の落ち着いたエリア・円山裏参道に2022年10月にオープンした、ノンホモ低温殺菌乳にこだわったスイーツ専門店だ。北海道別海町や浜中町の酪農家と直接提携し、「本当の牛乳の美味しさを伝える」というコンセプトのもと、生乳の持つ自然な甘みとコクを最大限に引き出した商品展開を行っている。

看板商品・ソフトクリームの圧倒的品質

店の看板であるソフトクリームは、生クリーム不使用で別海町産の生乳のみを使用した本格派。「牛乳ソフトクリーム」は甘さ控えめで後味すっきり、「ミルクソフトクリーム」は深いコクと余韻が特徴と、二つの異なる味わいを提供することで顧客満足度を高めている。実際の利用者からは「濃厚だけどしつこくない」「牛乳本来の味わいを楽しめる」という評価が多く、北海道らしい品質の高さが際立つ。

独創的な食感が魅力のクレープ

630円で提供されるニュークレープは、生地をじっくり寝かせて熟成させることで実現した「最初パリパリ、後からモチモチ」という独特の食感が高評価を獲得。特製のメープルミルクソースとの組み合わせにより、シンプルながら飽きのこない味わいを実現している点が秀逸だ。

素材へのこだわりが生む付加価値

プリンには別海町産の生乳と栗山町の卵という北海道産素材のみを使用。固めに仕上げたレトロスタイルと特製カラメルミルクソースの組み合わせは、「懐かしさと新しさの融合」として多くの支持を集めている。スコーンは卵・バター不使用で生乳をたっぷり使用するという独自の製法により、男性客や子供からの人気も獲得しているのは特筆すべき点だろう。

立地とアクセスの優位性

地下鉄円山公園駅から徒歩4分という好立地に加え、円山裏参道という散策にも適したエリアに位置することで、観光客と地元客の両方を取り込むことに成功している。北海道神宮や円山動物園からのアクセスも良好で、観光ルートの途中に立ち寄りやすい点が大きな強みとなっている。

価格設定とコストパフォーマンス

主力商品が500〜700円という価格帯は、観光地のスイーツ店としては標準的。しかし高品質な生乳を使用した本格的な味わいを考慮すれば、コストパフォーマンスは良好と評価できる。特にソフトクリームは450円という価格で、多くの競合店より質の高い商品を提供している点が評価に値する。

サービス面での配慮

テイクアウト専門でありながら店内にベンチを設置している点は、その場で食べたい顧客へのきめ細かな配慮。予約やお取り置きにも対応しており、「確実に購入したい」というニーズに応える体制が整っている。スタッフの接客も丁寧との評価が多く、商品説明やおすすめの提案も適切に行われている。

Instagram映えする商品展開

白いパフェやカラフルな瓶牛乳など、SNS映えを意識した商品展開も功を奏している。Instagram公式アカウント（@maruyama_milk_store）のフォロワー数約14,000人という数字は、効果的な情報発信により認知度向上に成功している証左だろう。

改善の余地と今後の展望

混雑時の待ち時間や駐車場がないことは改善点として挙げられるものの、全体的な満足度を大きく損なうものではない。むしろこれらの課題は、人気店である証ともいえる。今後は季節限定商品の拡充や、オンラインストアの充実により、さらなる顧客満足度向上が期待される。

最終評価：4.2/5.0

円山牛乳販売店は、高品質な北海道産生乳という素材の良さを活かし、シンプルながら確かな味わいの商品を提供することで、「本物志向のスイーツ店」としてのポジションを確立している。酪農王国・北海道の魅力を存分に味わえる店として、地元客・観光客双方から支持され続けることは間違いないだろう。円山エリアを訪れる際には、ぜひ立ち寄っていただきたい名店である。