老舗チェーンの安定した品質と独自性

円山ピカンティは、1996年創業の老舗スープカレーチェーン「ピカンティ」の4店舗目として2021年6月にオープン。ミシュランガイド北海道2017特別版に掲載された名店の味を円山エリアでも楽しめるようになったことで、地元住民はもちろん観光客からも高い評価を獲得している。本店・札幌駅前店・琴似店で培われたノウハウが活かされ、安定したクオリティを提供していることがレビューからも読み取れる。

看板メニュー「サクッとPICAチキン」の圧倒的人気

最も多くの来店客が注文している「サクッとPICAチキン」（¥1,320）は、外はカリカリ、中はジューシーな食感のコントラストが絶妙で、多くのレビューで「感動的な美味しさ」と評価されている。容器内にチキンとスープを分けるための高棚が設けられており、最後までサクサク感を保てる工夫も顧客満足度向上に貢献。チキンレッグ（¥1,210）も人気だが、初回訪問者には食感の違いが楽しめるPICAチキンが推奨されるケースが多い。

3種類のスープの特徴と選び方

ピカンティの真骨頂は、個性豊かな3種類のスープにある。「38億年の風」は濃厚系の看板スープで、初めての来店者には必ずといっていいほど推奨される一番人気。「辛さの中に旨味がしっかりと感じられる」という評価が多く、スープカレー初心者でも安心して楽しめる味わいとなっている。「曼荼羅（まんだら）」は更に濃厚でスパイシーな仕上がり、「アーユルヴェーダー薬膳」は体に優しい薬膳系として、リピート客は気分や体調に合わせてスープを使い分けている傾向が見受けられる。

立地の良さと観光客への対応力

円山公園駅から徒歩数分という立地は、北海道神宮参拝や円山動物園訪問とセットで利用する観光客にとって非常に便利。実際のレビューでも「北海道神宮を訪れた際のランチに最適」「円山観光の合間に立ち寄れる」といった声が多数見られる。地元住民の日常使いから観光客の特別な体験まで、幅広いニーズに対応できているのが同店の強みの一つといえる。

北海道産食材へのこだわりと品質

メニューに使用される食材は北海道産にこだわっており、特に野菜類の品質の高さがレビューで頻繁に言及されている。「新鮮な野菜がふんだんに使われている」「じゃがいも、茄子、ニンジン、カボチャなどの野菜の旨味」といった具体的な評価が多く、素材の良さがスープの美味しさを支えていることが分かる。愛別産矢部舞茸園の「プレミア舞茸」（¥1,298）なども地元食材へのこだわりを象徴するメニューとして人気を集めている。

店内環境と快適性

18席という適度な規模の店内は、パーティション仕切りにより個別感を演出し、「周りを気にせずゆっくり食事できる」環境を提供。完全禁煙で清潔感があり、カウンター席もあることから一人客でも気軽に利用できる。タッチパネルでのオーダーシステムにより、注文がスムーズに行える点も現代的で評価が高い。

価格設定とコストパフォーマンス

平均予算¥1,000〜¥1,999という価格帯は、札幌市内のスープカレー店として標準的な水準。メイン料理が¥1,078〜¥1,595の範囲で、品質と量を考慮すると「妥当な価格設定」という評価が大半を占める。辛さ調整は無料範囲から有料オプション（¥100〜¥300）まで細かく設定でき、個人の好みに合わせたカスタマイズが可能な点も支持されている。

デリバリーサービスとアクセシビリティ

円山ピカンティは店内飲食だけでなく、デリバリーサービス（11:00〜20:30受付）も提供しており、自宅でも本格的なスープカレーを楽しめる。容器代や配達料金が無料で、最低注文金額も¥1,620（税込）と比較的低く設定されているため、気軽に利用できる点が評価されている。ホットペッパーグルメでの予約にも対応し、現代的なサービス体制を整えている。

トッピングの充実度とカスタマイズ性

「素揚げごぼう」（¥120）をはじめとする豊富なトッピングメニューは、リピート客の楽しみの一つとなっている。「サクサク食感にハマってしまう」という評価もあり、基本メニューに加えてさらなる味の変化を楽しめる要素として機能。半熟卵の天ぷら、舞茸天ぷら、蒸しキャベツなど、バラエティに富んだ選択肢が用意されており、来店の度に異なる組み合わせを試す楽しみがある。

総合評価と今後の展望

円山ピカンティは、老舗ブランドの信頼性、立地の良さ、品質の高い食材、快適な店内環境という4つの強みを軸に、円山エリアにおけるスープカレーの新たな拠点として確固たる地位を築いている。観光地としての円山エリアの特性を活かしつつ、地元住民にも愛される店舗として、今後も安定した人気を維持していくことが期待される。ミシュラン掲載店の味を気軽に楽しめる貴重な存在として、札幌スープカレー文化の発展に貢献し続けるであろう。