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📝 総評・レビュー分析(5000字)
北海道ジビエの新たな可能性を切り開く革新的なハンバーガー専門店
北海道余市町に2023年3月にオープンした「EBIJIN(エビジン)」は、エゾ鹿肉100%のパティを使用したハンバーガー専門店として、北海道ジビエの新たな可能性を提示している注目の店舗だ。店名の「EBIJIN」は「ジビエ」を逆から読んで「ン」を除いた遊び心のあるネーミングであり、オーナーの明念大雄氏のジビエに対する情熱と親しみやすさの両方を表現している。
元ハンターの知識と経験が生み出す極上の鹿肉
EBIJINの最大の特徴は、オーナー自身が元ハンターという経歴を持ち、狩猟から処理、熟成まで一貫したこだわりを持っている点にある。余市や後志エリアで仕留めた2歳までの若いエゾシカを、狩猟後わずか2時間以内に素早く処理することで、一般的に「臭みが強い」とイメージされがちな鹿肉の概念を完全に覆している。この迅速かつ丁寧な処理技術により、EBIJINの鹿肉は臭みが全くなく、むしろ旨味だけが凝縮された極上の食材へと昇華されている。
オーナーは現在、後輩ハンターのサポートに徹しているとのことだが、その豊富な経験と知識は確実に製品の品質に反映されている。「おいしく食べて食害を減らすには、狩猟と処理の知識、スキルのレベルアップが肝心」という哲学のもと、北海道の自然との共生という大きなテーマにも真摯に向き合っている姿勢が、多くの顧客から高い評価を受けている理由の一つとなっている。
メニュー構成の巧みさ:シンプルながら選択の楽しさ
EBIJINのメニュー構成は、エゾ鹿バーガーに特化したシンプルなラインナップながら、ソースのバリエーションで顧客に選択の楽しさを提供している。基本となる「レギュラーバーガー」(¥1,200)は、エゾ鹿100%のパティ約150gに、エゾ鹿ひき肉を使った無水トマト煮込みの自家製ミートソースを合わせた定番メニュー。このソースは手間暇かけて作られており、トマトの旨味が凝縮されている点が高く評価されている。
ソースのバリエーションとして、「キーマカレーソース」と「わさびソース」が選択可能で、特にわさびソースは「わさびのピリッとした刺激が鹿肉の旨味を引き立てる」として多くのリピーターを生んでいる。バーガーでわさびという意外な組み合わせが、実は鹿肉の繊細な味わいと絶妙にマッチしており、EBIJINならではの独創性を感じさせる一品となっている。
さらに注目すべきは「EBIJIN PREMIUM 鹿肉バーガー」で、こちらはミンチではなくカットステーキのような鹿肉がゴロゴロと入った贅沢な仕様。stage1(約150g/¥1,500)とstage2(約300g/¥1,750)の2サイズ展開で、stage2は「バーガーというより、メイン料理でステーキをいただいているような感覚」と評される、まさにプレミアムな体験を提供している。通常のパティとは異なる食感と、より直接的な肉の旨味を感じられる点が、グルメな顧客層から特に高い支持を集めている。
素材へのこだわり:北海道産へのプライド
EBIJINのこだわりは鹿肉だけに留まらない。バンズには北海道産小麦100%を使用した特製バンズを使用しており、小麦の香りが豊かで味わい深いと評判だ。つなぎを一切使用せず、エゾ鹿肉と旨味を引き出すためのタマネギのみという潔いレシピにより、しっかりとした肉の食感と旨味がダイレクトに伝わってくる。この「引き算の美学」が、かえって素材の良さを最大限に引き出すことに成功している。
価格設定と価値:納得感のある品質
価格帯は¥1,200〜¥1,750と、一般的なファストフードのハンバーガーと比較すれば確かに高価格帯に位置する。しかし、レビューを分析すると「それなりのお値段はするが、この品質なら納得」「ジビエという特別感がある」といった肯定的な評価が大多数を占めている。150g〜300gという圧倒的なボリューム、エゾ鹿肉という希少性の高い食材、そして何より「鹿肉の概念が変わる」ほどの品質の高さを考慮すれば、むしろコストパフォーマンスは良好と言えるだろう。
特に「これ一個で十分お腹は満たされる」という満足感の高さは、単なる軽食ではなく、しっかりとした食事として成立している証拠である。平均予算¥2,000〜¥2,999という価格帯は、バーガーにドリンクを追加した場合を想定しており、この価格で極上のジビエ体験ができると考えれば、むしろリーズナブルとさえ言える。
店舗の雰囲気と運営スタイル
EBIJINはベニソン工房の1階に併設されており、基本的にはテイクアウト専門店としての性格が強い。イートインスペースはカウンター4〜5席という限られた座席数のため、「11時過ぎに到着したが既に満席」という状況も珍しくない。このため、開店時間に合わせて訪問するか、あるいはテイクアウトを前提とした利用がスムーズだ。
店主が一人で切り盛りしながら、注文を受けてから一つ一つ丁寧にハンバーガーを作っているため、提供までに約10分程度の時間を要する。しかしこの待ち時間は、焼き立てのベニソンパテの香りが漂う中での期待感を高める演出とも言え、「時間に余裕を持って訪問する」ことで、むしろこの過程自体を楽しむことができる。レビューでも「混み合う可能性を考慮し、時間に余裕をもってオーダーしてください」というアドバイスが頻繁に見られ、常連客の間ではこれがEBIJINの楽しみ方として定着している。
イートインの場合はセルフサービスが基本で、お冷のサービスはないが飲み物の持ち込みはOKとのこと。この気さくなスタイルが、肩肘張らずにジビエを楽しめる雰囲気を醸成している。店内にはお皿とフォークが提供され、テイクアウトの場合も食べやすいよう配慮されているが、「ソースがこぼれやすい」という指摘もあるため、車内で食べる場合は紙袋を広げるなどの工夫があると良いだろう。
立地とアクセス:余市観光の新定番
EBIJINは余市駅から徒歩7分、車で約2分という好立地に位置している。ニッカウヰスキー北海道余市蒸溜所の近くにあり、道道755号(然別余市線)沿いという分かりやすい場所のため、観光客にとっても訪問しやすい。駐車場は店舗左側の空地に4台程度駐車可能で、車でのアクセスも良好だ。
札幌からは車で札樽自動車道・後志自動車道経由で約60分という距離にあり、余市観光の一環として訪れる観光客も多い。ウイスキー工場見学やワイナリー巡りと組み合わせた余市ツアーの中で、ランチとしてEBIJINを組み込む観光客が増えており、余市の新たな観光スポットとしての地位を確立しつつある。
営業時間と定休日:柔軟な対応
営業時間は11:00〜17:00(ラストオーダー16:30)で、ランチから早めのディナータイムまで対応している。定休日は不定休となっており、季節によって営業時間が変更される場合もあるため、訪問前に公式SNS(Facebook: Ebijin ジビエスタイル)やInstagram(@ebijin_yoichi)で最新情報を確認することが推奨される。貸し切りでの予約にも対応しているとのことで、グループでの利用や特別なイベントにも柔軟に対応してくれる姿勢が伺える。
ドリンクメニュー:余市らしさの演出
ドリンクメニューは基本的なラインナップだが、特筆すべきは「りんごのほっぺ」(¥300)という余市産りんごを使ったりんごジュースの存在だ。余市はりんごの産地としても知られており、このローカル感あふれるドリンクが「鹿肉バーガーとの相性も抜群」と好評を博している。その他、お茶(¥250)、コーラ(¥250)、生ビールなども揃えられており、食事に合わせた選択が可能だ。
多角的事業展開:ペットフードという新機軸
EBIJINの興味深い点は、ハンバーガー販売だけでなく、エゾ鹿肉の小売やペットフード事業も展開していることだ。店頭では新鮮なエゾ鹿肉を購入でき、自宅での調理も可能。さらにオリジナルブランドのペットフード「Real Dog Food」は、エゾ鹿肉をはじめ魚や野菜を使った無添加製品で、ペット愛好家からも注目を集めている。この多角的な事業展開は、エゾ鹿という資源を余すところなく活用しようとする姿勢の表れであり、持続可能なジビエビジネスのモデルケースとしても評価できる。
顧客層の多様性と評価の一貫性
レビューを分析すると、EBIJINの顧客層は実に多様だ。「北海道バーガースタンプラリー」に参加する若年層から、ジビエに興味を持つグルメ志向の中高年層、余市観光の一環として訪れる家族連れまで、幅広い層が訪れている。それでいて「臭みがない」「旨味が凝縮されている」「鹿肉の概念が変わる」といった評価は驚くほど一貫しており、品質の安定性と普遍的な美味しさが証明されている。
改善の余地と今後の展望
いくつかの改善点として挙げられているのは、座席数の少なさとソースのこぼれやすさだ。しかし前者は物理的な制約であり、むしろ「予約制の導入」や「待ち時間の目安表示」といった運用面での工夫で対応可能だろう。後者については、既にテイクアウト時の包装に配慮されているようだが、さらなる改善が期待される。
今後の展望としては、メニューのさらなる拡充を期待する声も見られる。現在の3種類のソースバリエーションに加え、季節限定メニューやサイドメニューの追加などがあれば、リピート率のさらなる向上が見込まれるだろう。また、キッチンカーでの出張営業や出張バーベキューサービスも展開しているとのことで、移動販売の拡大も今後の成長戦略の一つとなりそうだ。
総合評価:北海道ジビエの新たな扉を開く革新的店舗
総合的に見ると、EBIJINは北海道ジビエの可能性を大きく広げた革新的な店舗と評価できる。元ハンターとしての知識と経験を活かした品質管理、シンプルながら洗練されたメニュー構成、手頃ながら納得感のある価格設定、そして何より「鹿肉の概念を変える」ほどの味わいは、余市を訪れる全ての人に体験してほしい一品だ。座席数の制約や待ち時間といった小さな不便さはあるものの、それを補って余りある価値がここにはある。余市というウイスキーとワインの町に、新たに「ジビエバーガー」という魅力が加わったことは、北海道の食文化の多様性と豊かさを示す象徴的な出来事と言えるだろう。
📍 アクセス
JR函館本線 余市駅より徒歩7分(車で約2分)
〒046-0003
北海道余市郡余市町黒川町9-60-1
店舗左側に約4台駐車可能
札幌より車で約60分(札樽・後志自動車道経由)
ニッカウヰスキー北海道余市蒸溜所近く
道道755号(然別余市線)沿い
店舗からのお知らせ
【営業情報】
営業時間:11:00〜17:00(ラストオーダー16:30)
定休日:不定休(季節により営業時間が変更となる場合があります)
※最新の営業情報はSNSでご確認ください
【お知らせ】
◆カウンター席は4〜5席のみ。開店時間に合わせてのご来店がおすすめです
◆テイクアウトメイン。イートインは満席の場合お待ちいただく場合があります
◆注文を受けてから一つ一つ丁寧に作るため、10分程度お時間をいただきます
◆貸し切り予約も承っております(要事前相談)
◆エゾ鹿肉の小売販売も行っております
◆ペットフード「Real Dog Food」も販売中!
◆キッチンカー出張・鹿肉バーベキューのご依頼も受付中
【メニュー】
レギュラーバーガー ¥1,200(オリジナル/カレー/わさびソース選択可)
EBIJIN PREMIUMバーガー stage1 ¥1,500(約150g)
EBIJIN PREMIUMバーガー stage2 ¥1,750(約300g)
ドリンク各種 ¥250〜¥300
EBIJIN(エビジン)は北海道余市町にあるエゾ鹿肉100%のジビエハンバーガー専門店です。元ハンターのオーナーが厳選したエゾ鹿肉を使用し、狩猟後2時間以内に処理することで臭みを完全に除去。レギュラーバーガー¥1,200〜、プレミアムバーガー¥1,500〜で提供。 オリジナル、キーマカレー、わさびの3種類のソースから選択可能。余市駅から徒歩7分、ニッカウヰスキー蒸溜所近くに位置し、テイクアウトメインながらイートインスペースも完備(カウンター4〜5席)。 営業時間11:00〜17:00、不定休。北海道産小麦100%のバンズ、つなぎ不使用のパティなど素材にもこだわり、「鹿肉の概念が変わる」と高評価。エゾ鹿肉の小売やペットフード販売も行い、持続可能なジビエビジネスを展開中。