ヌーベルプース大倉山は、1972年札幌冬季オリンピックの舞台となった大倉山ジャンプ競技場内という、世界でも類を見ない唯一無二のロケーションを誇るフレンチレストラン。2020年6月のオープン以来、「新しい芽」を意味する店名通り、北海道食材とフランス料理の伝統技法に和の要素を融合させた革新的なジャパニーズ・フレンチで、札幌のグルメシーンに新風を吹き込んでいる。

料理の質と独創性（4.2/5.0）

北海道の生産者が育んだ食材の持ち味を最大限に活かす姿勢が際立つ。季節ごとに変わるメニューには、ワカサギ、黄かぶ、鹿肉など、北海道ならではの食材が並び、それらを和の技法で繊細に仕上げる独創性が光る。特にゆきのしたを使ったきのこスープなど、他店では味わえない一皿が評価を集めている。藻岩山やテレビ塔の系列店として培われた技術力の高さも安定感につながっている。

サービスとホスピタリティ（4.0/5.0）

一口サイズの料理を温かい状態で一品ずつ提供する丁寧なサービスは、細やかな心配りの表れ。記念日利用への配慮も行き届いており、特別な日を演出するサポート体制が整っている。ソムリエによる料理に合わせたワインの提案も、食事体験の質を高める重要な要素となっているのだ。

雰囲気とロケーション（4.5/5.0）

大倉山ジャンプ台を眺めながらの食事という体験は、まさにこの店でしか得られない特別なもの。60席の広々とした空間は、テーブルクロスのないウッドテーブルを採用したカジュアルな雰囲気で、フレンチの堅苦しさを感じさせない。プレミアムシートからは札幌の夜景も楽しめ、VIPルームは記念日やビジネスディナーに最適な設えとなっている。

コストパフォーマンス（3.8/5.0）

ランチ5,000円台、ディナー10,000〜15,000円という価格設定は、本格フレンチとしては標準的。ただし、このロケーションの特別性、料理の質、サービスレベルを総合的に勘案すれば、妥当な価格帯といえよう。特に記念日や特別な日の利用では、価格以上の満足感を得られるという声が多い。

アクセスと利便性

円山公園駅からバスで15分とアクセスはやや不便だが、無料駐車場完備により車での利用は快適。送迎付きプランも用意されており、札幌市内中心部からの利用にも配慮がなされている。夏季の夜間無料シャトルバスは、夜景を楽しむ観光客にも好評を博しているのだ。

総評

ヌーベルプース大倉山は、大倉山という歴史的な場所で、北海道食材を活かした革新的なフレンチを提供する唯一無二の存在として確固たる地位を築いている。系列店である藻岩山、テレビ塔のレストランと同様、安定した品質と独自性を兼ね備えた「SAPPORO VIEWTIFUL DINING」の一翼を担う存在として、札幌のグルメシーンに新たな価値を提供し続けているといえるだろう。結婚記念日、誕生日、ビジネス接待など、特別な日の利用に最適なレストランとして、北海道を訪れる全ての人に一度は体験してほしい至高のダイニング空間だ。