唯一無二の非日常空間が魅力

札幌で一番お洒落なカフェ＆イタリアンバーを目指すRY’S cafe barは、その言葉通りの圧倒的な空間演出で訪問者を魅了している。モダンアート、アンティーク、リゾートテラスという3つの全く異なるテーマエリアは、それぞれが独立した世界観を持ちながらも、全体として調和のとれた非日常体験を提供。特にアンティークエリアのスワロフスキー製シャンデリアや中世ヨーロッパをモチーフにした内装は、まるで王宮にいるかのような豪華絢爛な雰囲気を醸し出し、デートや記念日に最適な空間となっている。

本格イタリアンと北海道食材の融合

料理人の堀口翔氏が手掛ける料理は、見た目の美しさだけでなく味わいも本格的だ。看板メニューのいちじくバターオープンサンドは、ラム酒漬けドライいちじくと自家製メープルナッツの組み合わせが独創的で、バゲットの香ばしさと相まって忘れられない味わいを生み出している。また、はらことサーモンの濃厚クリームリゾットは、和風の要素を取り入れた革新的な一品として高評価を獲得。望来豚という北海道ブランド食材を使用したローストは、地元の良質な食材へのこだわりを示している。

時間帯で変わる多彩な楽しみ方

カフェタイムとバータイムで異なる表情を見せる点も大きな魅力だろう。昼は焼きたてワッフルやハンドドリップコーヒーで優雅なカフェタイムを、夜は本格的なイタリアン料理とワインでバータイムを楽しめる。特にアフタヌーンティーセット（平日15時〜、1日3名限定）は、豪華なスタンドに14品のスイーツ＆セイボリーが盛り付けられ、アンティークエリアでの優雅なひとときを演出してくれる。

SNS映えと実用性の両立

インスタ映えするフォトジェニックな空間でありながら、Wi-Fi完備、完全禁煙、カウンター席ありなど、実用的な設備も充実している点が評価されている。衣装や小道具を使った額縁アート撮影も可能で、訪問者の思い出作りをサポート。ただし、2階への階段移動が必要な点は、車椅子やベビーカー利用者にとっては注意が必要となる。

価格設定への賛否両論

価格面では意見が分かれるところだ。ランチ1,500〜2,000円、ディナー4,000〜5,000円という価格帯に対し、「非日常空間を考えれば妥当」という声がある一方、「やや高め」との指摘も存在する。コーヒーが500円から680円に値上がりしたという声もあり、原材料費高騰の影響が窺える。しかし、料理のクオリティ、空間の演出、SNS映え要素などを総合的に考慮すれば、特別な日の利用には十分価値があるといえる。

立地とアクセスの優位性

西28丁目駅から徒歩5分という好立地は、利用者にとって大きなメリットとなっている。円山公園エリアという文化的な雰囲気のある立地も、店舗のコンセプトと合致。無料駐車場が2台分確保されているものの、公共交通機関の利用が推奨される点は、アルコールを楽しむバータイムを考えると妥当な設定だ。

様々なシーンに対応する柔軟性

デート、女子会、記念日、一人カフェ、結婚式二次会、撮影会など、あらゆるシーンに対応できる汎用性の高さが、幅広い客層から支持される要因となっている。特に20代〜40代の女性客を中心に、SNSでの口コミ効果も相まって、札幌の新しいフォトスポットとして定着しつつある状況だ。

メディア露出による知名度向上

テレビ、新聞、雑誌などの多数のメディアで取り上げられ、テレビドラマのロケ地としても使用されるなど、メディア露出が店舗の知名度向上に貢献。2024年11月のSTV「どさんこワイド」での生放送出演、2025年5月の北海道新聞掲載など、継続的なメディア露出が新規顧客の獲得につながっている。

改善の余地と今後の期待

改善点として挙げられるのは、単品料理の価格が「市場価格」や「要問合せ」となっている点で、事前に価格を把握したい客にとっては不便さを感じる可能性がある。また、人気メニューの品切れや、価格の値上がり傾向については、今後の動向を注視する必要があるだろう。

結論：特別な体験を求める人に最適

総合的に見て、RY’S cafe barは「札幌で一番お洒落なカフェ＆イタリアンバー」というコンセプトを見事に実現した店舗といえよう。圧倒的な空間演出、本格的な料理、時間帯による多彩な楽しみ方、SNS映え要素など、様々な魅力が詰まっている。価格はやや高めだが、非日常的な体験、特別な思い出作り、フォトジェニックな写真撮影など、総合的な価値を考慮すれば十分に納得できる設定だ。日常から離れた特別な時間を過ごしたい人、インスタ映えする写真を撮りたい人、本格的なイタリアンを楽しみたい人には、ぜひ訪れてほしい店舗である。ただし、コストパフォーマンスを最重視する人や、カジュアルな雰囲気を好む人には、期待値とのギャップが生じる可能性がある点は留意すべきであろう。