店主の経歴と技術力

店主・黒田政廣氏は1970年生まれの札幌市出身。「沢山の人に喜んでもらえる様な仕事をしたい」という想いから飲食業界に入り、数々の有名ホテルレストランで約30年間修行を積んだベテランシェフだ。西洋料理専門調理師免許を取得し、2020年11月23日に自身の店「うまいものDining 我流」を開業。その確かな技術は、訪れる客を魅了し続けている。

独自の仕入れルートと食材の質

特筆すべきは、店主がオホーツクの某ホテルで経験を積んだ際に築いた独自の仕入れルートから調達する新鮮な魚介類。これにより、札幌市内でありながら、まるで産地直送のような鮮度の高い海鮮を提供できるのが強みとなっている。塩水ウニやイクラなど、北海道の高級食材を惜しみなく使用した料理の数々は、他店では味わえない贅沢さがある。

ミッドナイトランチという革新的コンセプト

「遅い時間でも確かな料理をお客様に届けたい」という店主の想いから生まれた「ミッドナイトランチ」は、この店の大きな特徴。飲み会の〆や仕事終わりの夜遅い時間でも、ランチ感覚で本格的な料理を楽しめるというコンセプトは、すすきのという立地を最大限に活かした戦略だ。25時以降も電話予約で営業可能という柔軟性も、忙しいビジネスパーソンから高い支持を得ている。

ジャンルを超えた多彩なメニュー構成

「我流」という店名が示す通り、西洋料理の技術を基本としながらも、ジャンルにとらわれない自由な発想で料理を提供。洋食の王道であるオムライスやパスタはもちろん、「海老のチリソース」や「我流特製熱々鍋麻婆豆腐」といった中華料理、「和牛三角肉の軽い炙り寿司」のような和食要素も取り入れた創作料理まで、幅広いメニューが楽しめる。この多様性が、様々な客層のニーズに応えることを可能にしている。

アットホームな空間と店主との距離感

カウンター6席、BOX席8席という計14席のこじんまりとした店内は、大人の隠れ家的な雰囲気を演出。特にカウンター席では、店主との会話を楽しみながら食事ができるという点が、常連客を生む要因となっている。店主の温かい人柄と、客一人一人に対する細やかな気配りが、リピート率の高さにつながっているのは間違いない。

優れたコストパフォーマンス

平均予算3,000円～3,999円という価格設定は、ホテルクオリティの料理を提供することを考えれば非常にリーズナブル。特に「我流特別コース」は、通常7,700円のところを5,500円で提供し、8品の料理に生ビール付き120分飲み放題が含まれるという破格の内容。平日・日曜限定の「大特価コース」は4,000円で6品料理と飲み放題が楽しめ、コストパフォーマンスの高さは際立っている。

立地の優位性とアクセスの良さ

地下鉄豊水すすきの駅から徒歩3分（174m）という抜群のアクセスは、仕事帰りや飲み会の2次会、3次会での利用に最適。第2桂和ビルの3階という立地は、すすきのの喧騒から離れた落ち着いた空間を提供しながらも、繁華街の利便性を享受できる絶妙なポジショニングだ。

現代的な支払い対応と設備

キャッシュレス決済への対応も充実しており、各種クレジットカード、交通系電子マネー（Suica等）、iD、QUICPay、さらにPayPayなどのQRコード決済にも対応。無料Wi-Fiや電源も完備し、現代のニーズに応える設備が整っている。車椅子での入店も可能で、バリアフリー対応も考慮されている点は評価に値する。

改善の余地と今後の展望

全席喫煙可という点は、愛煙家には朗報だが、禁煙を希望する客層を逃している可能性もある。また、個室がない点は、プライベートな会食を求める客には不向きかもしれない。ただし、これらの点も店のコンセプトと規模を考慮すれば、むしろ個性として捉えることもできる。

総合評価：3.5/5.0

「うまいものDining 我流」は、ホテルレストランで培った確かな技術と、独自の仕入れルートから調達する高品質な食材、そして「我流」という名にふさわしいジャンルを超えた創作料理で、すすきのエリアに独自の地位を確立している。ミッドナイトランチという革新的なコンセプトと、リーズナブルな価格設定、そして店主の温かい人柄が相まって、地元客から観光客まで幅広い層に愛される店となっている。今後も札幌の洋食シーンを牽引する存在として、多くの人々に「うまいもの」を提供し続けることだろう。